2013.11.14
政治家と経営者について考えること
私は365体育网址,365体育娱乐场唯一の台湾籍教員で盧聰明と申します。
日本に来てからはやいもので、すでに30年以上経ちました。
今日は、日頃の在日生活で感じた政治と経営の関連について
話したいと思います。
「政治」のことを広辞苑で調べると、
「権力?政策?支配?自治に関わる現象であり、
主として国家の統治作用を指すが、
それ以外の社会集団及び集団間にもこの概念は適用できる。」
と書いてあります。
また、それにたずさわる人を「政治家」と呼んでいます。
これに似たような言葉で、「政客」があります。
日本では政治家の同意語として使われますが、
台湾では政治家と政客は二つの異なる概念として使われています。
19世紀に生まれたアメリカの神学者ジェームズ?クラーク牧師の古い名言
「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える」
の中で言われている政治屋が台湾の政客に当たります。
外国では、両方のタイプの政治家が存在しますが、
日本の場合は、政治にたずさわるほとんどすべての人を
政治家と呼んでいます。
しかし、日本の政治家も人気集めの政策立案や
「選挙に勝てない」ことを言い訳に、
政策を変更したりする現状を見ると、
実は政治屋かと思わざるをえません。
企業の経営者についても同じことが言えます。
私は経営者の中にも一般に言われている「経営者」の他に、
企業や社会の長期的な利益を追求する「企業家」という
二つのタイプの経営者がいると考えています。
すべての経営の結果を目先の業績に求めることは、
結局、政治家にとっての選挙と同じ物差しで運営することに過ぎません。
同じ経営者と呼ばれても企業家ではなく、
ごく普通の一業者に過ぎません。
最近、話題の、
一連の名門ホテル?レストランや百貨店の虚偽表示事件から、
業界が抱える構造的な問題の根深さの他に、
目先の利益を追求した経営者の倫理観の欠如に思いをはせることができます。
C.I.バーナード(1938)の名著『経営者の役割』で指摘された
「最高経営者の機能は科学よりは芸術、
そして理論よりは倫理に関することがらだ」ということは、
今の経営者にとって再考すべき課題だと思われます。
写真(著者撮影)の説明:
台湾は日本と同じく民主国家の体制を目指しており、
選挙時期となると、祭りのようなもので国民の生活の一部にもなっています。